恋人たちのパンドラ【完】
「ほら、何も言い訳できないだろう」

蔑むような目で壮介が悠里を見る。

「お前言い過ぎだぞ!」

そういって男が間に入ろうとするが

「これは俺と悠里の問題だ、あなたは黙っていてください」

そうきっぱりと言い切った壮介に、男がさらに食ってかかろうとする。

「もうやめて」

悠里が力ない声で、男を止めた。

「でも、悠里。お前」

そう言う男に、悠里は

「もういいの。いいのよ」

そう言って首をただ横に振るだけだった。

そんな二人を見た壮介は

「俺には何も話してくれないんだな、俺だけ何も知らずにお前の事信じてたのか?」

そうやって苦渋の表情を浮かべた壮介を悠里は直視することができなかった。

「ごめんなさい」
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