恋人たちのパンドラ【完】
「なっ!私はそんなっ!」

「今さら何を?君たちこの女はな、何も知らなさそうな顔をして男をたぶらかす魔性の女なんだ。少しテクニックでも教えてもらったらどうだ」

皮肉を込めた言い方に女性たちも声をあげて笑う。

悠里は、過去のこととはいえ壮介の発する言葉一つ一つに深く傷ついていた。

悠里の知っている壮介は、強引なところや強気な面ももちろんあったけれど、こんな風に他の物を傷つけるような人ではなかった。そしてその時の痛みや苦しみや憎しみを今も抱えているということを。

いや、悠里が現れてしまったがためにそれがふたたび燃え上ってしまったのかもしれない。

悠里が悔しさに唇をかみしめていると、壮介が二人の女性に外でに出るように言った。


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