恋人たちのパンドラ【完】
「ご、ごめんなさい。あのとき私・・・」

「今さら言い訳はいい」

ぴしゃりと遮られた。

「君は二度と俺と会うつもりはなかったんだろうが、皮肉だったな。こうやって二人会ってしまったのだからこれからしっかり償いはしてもらう」

そう冷たく言い放った。

「でも――!」

「言い訳はいいと何度言わせる。君は忘れているようだがうちは君のところの会社の取引先だよ。君のせいでうちと揉めるとどうなるだろうね・・・」

意味を含ませた言い方に背筋に冷たい汗が流れる

「それはどういうことですか?」

「言葉通りだ」
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