恋人たちのパンドラ【完】
思い出して可笑しかったのかまた笑いだした。


「もう、タツキ君またそんなこと言って……」

小さな男の子のませたセリフに顔を赤らめる悠里を見て壮介はまた笑った。

「よろしく、ユーリ」

そう言って手を差し出し握手を促された。

「ユーリじゃなくて、悠里です。徳永 悠里(とくなが ゆうり)」


そう言って、出された手を握り返した。

長くて細い指。だけどそれはしっかりと男性の手だった。

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