恋人たちのパンドラ【完】
展示会のフロアに顔を出した壮介は各出店メーカーに顔を出して色々と話をしていた。
玩具の展示会とあって小さな子供連れも多く、店内を走りまわっている子供もいた。
ふとその一人が壮介にぶつかり手にしていた棒付きの飴をべっとりスーツのズボンへとつけてしまったのだ。
社内では‘氷の王子’などと異名をもつ壮介がどういう対応をするのか、綾川をはじめ周りの人が息をのんだ。
すると壮介はそこに膝をついて座り、子供の目線まで頭をさげて子供に言い聞かせるようにこう言った。
「ここは走ったらダメな場所だぞ。せっかくの飴が台無しになっちゃって残念だな」
そういって頭を撫でながら心からの笑顔で話かける。
「それにママとはぐれて迷子になったらおうちに帰れなくなっちゃうから、ちゃんとママと手をつないでいような」
そう言って、ぺこぺこと謝っている母親に
「気にしないでください」
とにこやかに声をかけ会場を後にしていた。
玩具の展示会とあって小さな子供連れも多く、店内を走りまわっている子供もいた。
ふとその一人が壮介にぶつかり手にしていた棒付きの飴をべっとりスーツのズボンへとつけてしまったのだ。
社内では‘氷の王子’などと異名をもつ壮介がどういう対応をするのか、綾川をはじめ周りの人が息をのんだ。
すると壮介はそこに膝をついて座り、子供の目線まで頭をさげて子供に言い聞かせるようにこう言った。
「ここは走ったらダメな場所だぞ。せっかくの飴が台無しになっちゃって残念だな」
そういって頭を撫でながら心からの笑顔で話かける。
「それにママとはぐれて迷子になったらおうちに帰れなくなっちゃうから、ちゃんとママと手をつないでいような」
そう言って、ぺこぺこと謝っている母親に
「気にしないでください」
とにこやかに声をかけ会場を後にしていた。