恋人たちのパンドラ【完】
「ゆ、悠里、これは一体どういうことだ」

そういって、悠里の中心部分をティッシュで拭うと悠里の目の前に突き付けた。

そっと身体を起こし、それを確認して目を伏せる悠里。

そこには壮介のものに混じって、真っ赤な鮮血が付いていた。

「そんなに強くしてないだろ。お前まさか・・・。嫌そんなはずは・・・」

一人でブツブツと言葉を続ける壮介の頭の中は混乱していた。

そして伏せている悠里の顔を無理矢理上に向けて

「まさか、はじめてじゃないだろ?そんなはずないよな?」

目をみて問いただす。

もしそうならば、自分は9年前一体どんな勘違いをしたと言うのだ。

そしてその勘違いから地獄のような9年間を送ってきたこと、いや、それよりも9年もの間 憎み、そして再開後なおも責め続けて来た悠里に対してどう償えばいいのか・・・。
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