太陽とひまわり。



24歳の頃のあたしはただ早く年をとりたかった。


4歳上の大好きな人に近付きたくてただただ早く年をとりたかった。



そしてあれから5年が経ち、28歳だった彼を抜かし29歳になった。



でもあたしが5歳年をとったように目の前にいる彼も5年が経ち、33歳になった。




やっぱり…4歳差は大きいな。




「ひま、晩ご飯作ってくれる?」



「うん、何がいい?」



月くんの頼みに正直助かったと思った。

この空間にずっといるのは辛い。




「兄貴は何が食べたい?」



「グラタン」


太陽くんの即答に涙が出そうになった。




「グラタンって子どもかよ!」



「…うるせぇ」



「ひま、グラタン作れるよな?悪いけどグラタン作ってくれないか?」



「…うん。分かった」



グラタン…太陽くんがあたしの手料理の中で1番気に入ってくれていた物。


太陽くんは覚えてたのかな…?


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