太陽とひまわり。
月くんが家を出て暫くしてのことだった。
「久しぶり」
視線を向ければ台所のドアに体の体重を掛けている太陽くん。
「…久しぶり」
また視線をまな板の上にあるジャガイモに向けた。
「5年振りだな」
「うん…」
持っている包丁が震える。
「なんで初対面の振りしたんだ」
「…その方がお互い良いと思って」
「お互い…じゃなくて、お前だけだろ?」
「……」
「俺は別に月に元恋人同士とバレても構わない」
それはあたしのことを好きじゃなかったから…?
気持ちのない関係だったから別に構わないの…?
「そうだよね。あたしたち1年半しか付き合ってないもんね。
あんなのカウントに入らないよね」
「ひまわり」
太陽くんの口から久しぶりに聞くあたしの名前。