太陽とひまわり。


そんな人から好きじゃなかったと3度も言われて傷つかない人なんていない。



「泣いてるのか?」



「泣きません。あなたの為にもう涙を流すことはありません」



「そうか。じゃあ、最後にひまわり言わせてくれ」



肩を掴まれて無理やり向き合わされた。


もしかすると別れたあの日から初めて彼の目をちゃんと見たかもしれない。



「ひまわり」



「はい」



「俺はひまわりを愛してた」



「え…」


全身の力が抜け、手からブーケを落としそうになった。



どういうこと…?


彼はあたしに好きじゃないと言った。

でも彼はあたしに愛してると言った。



「もしかして…好きじゃなくて愛してくれてたの?」



「あぁ」



「そんな…」


なんで今さら…。



「海外の転勤は家族を連れて行くのは禁止されていた。期限は5年。恋人として待ってもらうには長すぎる。

家族として待ってもらうには可哀想すぎる。

だから別れた」



「なんで今さらそんなこと言うの…」



肩を掴まれていた腕を振り払って今度はあたしが太陽くんの服を掴んだ。


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