太陽とひまわり。


あの時……

5年前のあの日、彼の本心を聞いていればきっとあたしは泣きながら5年間彼を待ち続けた。



あの日………


月くんのマンションで再会した時、彼があたしを攫ってくれたら辛いかもしれないけど太陽くんの隣で笑っていられた。




あの時、あの日………


何度もあたしたちはタイミングを外した。


だから今こうやってあたしは太陽くんの弟、月くんと結婚することになった。




すべては運命。



最初から太陽くんと交わることはなかったんだ。





ゆっくり太陽くんの服を握っていた手を離し、ドアの方へ体の向きを変えた。



「太陽くん」



「なんだ」



「5年って長いね…」



「そうだな」



「あたしたちの5年は…きっと結ばれないための5年だったんだね」



「……」



この時初めて太陽くんは何も答えてくれなかった。


否定も肯定もしなかった。


まだあたしの方へ向いていた体をドアの方へ向けた。

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