太陽とひまわり。
先程までいなかった従業員さんがドアの取っ手を握る。
もう時間切れ。
このドアの向こうを1歩でも歩いたらあたしたちは義理の兄妹になる。
「ひまわり」
「…なに?」
太陽くんの左腕にそっと手を添える。
「太陽はひまわりしか見れない。
ひまわりしか愛せない。
だからもうひまわりが見てくれなくても太陽はひまわりを愛し続ける」
「……」
「これが俺の5年前からの変わらない想いだ」
従業員さんの手でドアが開くと、真っ赤な道が真っ直ぐ続いてる。
ここを歩いたらもう引き返すことはできない。
真っ赤な道の先には笑ってあたしを待ってくれてる月くん。
あたしは1度目を閉じて覚悟を決めた。
真っ赤な道に1歩足を踏み入れた。