太陽とひまわり。


「別れてほしい」




太陽くんの突然の言葉に持っていたコーヒーカップを落としそうになった。



「え……?」



「ひまわり…別れよう」



「なんで?」


口元が震える。



「海外転勤になった。短くて5年」



「5…年」



そんなに長く…。



「今までありがとう」



「……太陽くん」



立ち上がろうとする目の前の彼の腕を掴んで小さな声で彼の名前を呼んだ。



「なに?」



彼はゆっくり腰を下ろした。



「あたしを連れて行くっていう考えはなかったの?」



海外転勤と聞いてすぐに思ったことを聞いた。



「なかった」



あたしが混乱しながら聞いた質問に彼は即答で答えた。


そんな彼に最後の質問をする。





「…あたしのこと好きだった?」



「好きじゃなかった」



「…そう」



先程の質問のように即答で答える彼にもう何も言えなかった。

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