太陽とひまわり。










「ひまわり」



「あ…」



「迷わなかった?」



「うん」



「ごめんな、仕事が急遽入って最寄り駅までしか迎えに行けなくて。

じゃあ、俺の実家に行こうか」



「うん」



太陽くんと別れて5年という月日が経った。


24歳だったあたしは29歳になった。



そして今日、あたしは婚約者のご両親と会う。



「ねぇ、月くん…」



「なに?」



「服装…大丈夫かな?」



「大丈夫。ひまはいつも可愛いよ」



手土産として持ってきた地元の名物が入っている袋を強く握りしめた。



「月くん、あたし立派な婚約者に見られるように頑張るね」



「いつものひまで大丈夫だよ。きっと親父たちもひまのこと気に入るから」



「本当かなー…?」



月くんはなんだかおっとりしているから、これで大丈夫なのかと不安になる。


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