太陽とひまわり。


車に乗って少しして、月くんに思ったことを聞いた。



「ねぇ、月くん。あたし月くんにお兄さんがいること聞いてなかったんだけど」



「え?言ってなかったけ?」



「聞いてないよ」



やっぱりおっとりしている月くんは忘れていたようだ。



「ごめん、ごめん。俺、2つ上の兄貴がいるんだ」



「2つ上ってことは……お兄さん、33歳?」



月くんはあたしの2つ上で31歳だ。



「うん、そうだよ」



待って。


今年33歳で名字が小室…。



体が徐々に震え出す。


でもそんなあたしを運転中の月くんは気付いてない。



「俺の兄貴さ、この5年間海外に転勤してて、すっかり存在を忘れててひまに兄貴のこと話すの忘れてたよ」



「海外……」



頭の中に1人の男性が思い浮かぶ。




「月くんお兄さんの名前は…?」



「あぁ。俺の名前の月の対の名前だよ」



一瞬で分かってしまった。

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