Light of hope Ⅲ【完】番外編5?up
それに今なら行ける。
悲鳴を上げる身体を起こし、激痛に耐えながら走り出す。
だが、さっきの落下で足を打ったため上手く力が入らず、スピードは先ほどより出ない。
それでも…これなら逃げきれる。
そう確信できた。
あと少しで橘の縄張り…入ってしまえばこちらのものだ。
そう己を奮い立たせて残りの道のりを走る。
……逃げ切れた。
ある程度中まで入ったところで走るのを止めると、深いため息をついた。
全部…さっきの動揺のおかげだ。
きっと…怪我をさせるなとでも言われてたんだろう。
さっき声を荒げた奴は恭輔の会社で見たことがある。
つまり…恭輔に黎のところにいるとバレたということだ。