Light of hope Ⅲ【完】番外編5?up
「さぁ、行こうか。僕が強いことを見せてやらないとね」
ふふっと楽しそうに笑う黎を見て、何かが妙に引っかかった。
……こんなに余裕…いや気が緩んでいる黎が勝てるのか?
ここ最近大きな抗争なんてなかった橘グループは全体的に気が緩んでいる。
もともと五分五分の力を持つ2つのグループ…これだと…。
そこでガチャッとドアが開く音に思考を遮られた。
「由美も見るんだよ。あいつらの最期を」
外に出た黎に腕を引かれて出ると、車やバイクの光で目が眩んだ。
だがそれも一瞬のことで、次第に慣れ始めた視界には懐かしい顔ぶれが映った。
な、んで蓮が…ここに?それに朔達も…。
1年前とほとんど変わらない愛しい狼は堂々と恭輔の隣に並んで立っていた。
「由美、すぐに連れ戻してやる」
力強い目で私を見る蓮の声は、かなり離れているにも関わらずはっきりと聞こえてきた。