Light of hope Ⅲ【完】番外編5?up
これで橘グループも終わりか…呆気ないな。
そう思ったのは一瞬で、黎は私にしか聞こえないぐらい小さな声で呟いた。
「……僕さえ生き残れば問題ない」
そう言って懐から出したスイッチは、半年前に1度だけ見たことがあった。
私たちが乗ってきた車に付けられた最悪の機能。
……辺り一帯に毒ガスをまく機械のスイッチ。
ちょうど今と似た危機的状況…それをあっさり覆し、多くの死人を出した。
あの時の残忍な黎の笑みを思い出し、サーッと血の気が引く感覚に襲われた。
ニヤリと笑った黎がそれを押そうとした時には身体が動いていて、振り上げた腕は見事にそれをこちらへと飛ばした。
「貴様ぁっ!!」
飛ばされたそれを受け止めると、鬼のような形相で襲いかかってきた。
数歩下がり、力任せに地面へと叩きつける。
すると、それは呆気なく四方に弾け飛んだ。