Light of hope Ⅲ【完】番外編5?up
黎の叫びを聞いて恭輔や蓮たちがこちらに向かってくるのが見えた。
だが、次々と叩き込まれる拳や蹴りに応戦するのが精一杯でそちらにまで気をまわせない。
何とかギリギリで避けながら後退をするが、盾として使う腕や足がビリビリと痺れてきた。
本調子ならまだしもこの身体だと…。
そんな時、急に足を襲った激痛に動きが一瞬止まる。
ずっと悲鳴をあげていた身体がついに限界に達したのだ。
それを黎が見逃すはずもなく、避けきれなかった強烈な蹴りが横腹に直撃。
その勢いで飛ばされた私は車に叩きつけられた。
「ぐっ…ごほっ」
朦朧とする意識と霞む視界でこちらに歩み寄ってくる黎を捉え、車を支えに立ち上がるがその場から動けない。
折角、蓮が目の前にいるのに……ここまでか…。
逃げることを諦め目を閉じて覚悟を決めた……が、
「ぐぁっ!」
パァンッと乾いた銃声の後、黎のうめき声が聞こえた。