Light of hope Ⅲ【完】番外編5?up
戻るといっても私に与えられた部屋は隣、そのためすぐに着いた。
最初の頃、何でかって聞いたら下手なことができないように…逃げ出さないようにするためだと言っていた。
……私に逃げる場所なんてないのにね…。
押し付けられたチョコレートの箱を机に投げ捨て、自嘲的な笑みを浮かべながら浴室へと入る。
さっき一瞬だけ脳裏に浮かんだかつての仲間の姿。
まるで私の逃げる場所はそこだとでもいうかのように…。
それをかき消すように出力が最大になったシャワーを浴びた。
冷たっ……まぁ、頭を冷やすのにはちょうどいいか…。
しばらく冷水を浴びていたが、いくら夏とはいえ身体には厳しかったようで小刻みに震えてきた。
コックを捻り温かい水を浴びると、一通り身体を洗い浴室を出た。
…もう部屋から出ないし、スウェットでいいか。
いつも寝るときに着るスウェットに着替えてベットへダイブする。
その際、首元でチャリッと鳴ったネックレスに視線を落とす。
「……あれから1年か。大分経ったなぁ」
ネックレスを見て、今までの事を思い出す。