Light of hope Ⅲ【完】番外編5?up
「陽に先を越されるとか…。おかえり、由美」
続いて顔を覗かせた海斗は不服そうにしながらも、視線が合うと満面の笑みで出迎えてくれた。
「ただいまっ」
車に乗せられながら、そんな2人に私も満面の笑みで応える。
出迎えられることがこんなにも嬉しいことだなんて、前は思いもしなかった。
当たり前だと思っていたことも、当たり前ではなくなって、初めて大事なことだったのだと思い知らされる。
あの最悪の環境を再び体験したからこそ、知ることができた。
そう物思いにふけっていたところに蓮の腕が腰に回され、ハッと我に返る。
「出せ」
蓮は私を引き寄せて一言発すると、ゆっくり車は動き出した。
やっと帰れる……懐かしの蓮の家へ…。
嬉しく思いながらも、一抹の不安を抱えて家へと向かった。