家族
洋平の写真を見つめながら、貞夫は再びやるせない気持ちになっていた。この気持ちの正体は未だに分からない。
洋平が憎く、この写真だって何度投げ飛ばそうと思ったか知れない。しかし、結局一度たりともそうは出来なかった。
茜の死後、洋平の大きかった背中は見る影もなく小さくなり、死を迎える瞬間まで、彼は実に哀れな人生を送った。
貞夫は突然立ち上がると、逃げるように自室へと向かった。
洋平が憎く、この写真だって何度投げ飛ばそうと思ったか知れない。しかし、結局一度たりともそうは出来なかった。
茜の死後、洋平の大きかった背中は見る影もなく小さくなり、死を迎える瞬間まで、彼は実に哀れな人生を送った。
貞夫は突然立ち上がると、逃げるように自室へと向かった。