POISON DOROPS《TABOO~秘密の恋~短編集》
逃げるように、

滝さんから離れてボードに足をかける

あんなこと、冗談だって思うけど、

ドキドキする。


体重を移動させボードを滑らせる。


風に乗りながらエッジをではじかれる雪のしぶき

火照った頬を覚ましてくれる。


ザッ



目の前を横切った人を避けた

瞬間安定感を失った。


「あ…」



体が投げ出され、滑走禁止区域に転がり

そして、意識を失った。




気がついたら視界は真っ白

嘘、


転がった拍子に、

運悪く穴に落ち

崩た雪ですっぽり埋まっているらしい。




もがけばもがくほど埋まってく。


視界はどんどん暗くなって

私死んじゃう?


助けて!


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