POISON DOROPS《TABOO~秘密の恋~短編集》



「わあ!」


季節はずれの避暑地の空は

満天の星空。



「私こんなに近く星を感じたの初めて!」


カシャ

カシャ


「ねえ桐人さん。」


カシャカシャ


「桐人さんてばっ!」


カシャカシャ


いつも、私を動かすために

饒舌だった彼が。


無言でシャッターを切る。


ファインダーを覗く瞳が

寂しそうに見えるのは何故?



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