POISON DOROPS《TABOO~秘密の恋~短編集》
「ずっといいなっておもってたんですよね、

 高木さんのこと。

 彼氏とかいるんすか?」


隣の課の新人が馴れ馴れしく話しかけてくる。



私はちらりと見てから、ため息をついた。



「いくら無礼講なんて言ったって、

 会社の飲み会で年上に失礼じゃない?」



「チャンスは、逃さない主義ですから。」



「そう…」



可愛いものね、がっついてるけど、

「待て」されてる子犬みたい



「『そう』って高木さ~んリアクション低すぎですよ。」



グラスを持つ子犬くんの指が視界に入る。



目の前の器用そうでいてスラリと伸びた指


「指。」


「え?」


「指綺麗ね。」






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