POISON DOROPS《TABOO~秘密の恋~短編集》
グリーンのクロスの小さなゲーム盤に
黒と白のチップを置く音が響く。
彼と私しかいない部室。
あの日と同じ。
「覚えてるよね?
負けたほうが言う事を聞くんだよ?」
「あの頃の私とは違いますから。」
「ふうん、どう違うの?」
「付き合ってる彼がいます。」
「へえ?それはなおさら勝たなくちゃね。」
パチン。
彼が小気味いい音を立ててチップを置く。
「あ…」
くるくると白が黒に変わってしまう。
「降参?」
「まだ…負けたわけじゃないです。」
「諦めが悪いね…」
トドメの一手
ほとんどが黒くなる。
「あ…」