POISON DOROPS《TABOO~秘密の恋~短編集》

「俺の勝ちだね?

 彼氏がいても、

 お前は俺を拒めないでしょ?


 ほかの男のモノになったお前は

 どんな味がするんだろ?」



どうして私はここにいるんだろう。


そう、

本当はこうして欲しかった。


この学校に来る時から予感して、

そして期待していた。


忙しくて会えない彼との不安を、

黒で塗りつぶして欲しかった。


きっとそう。



この人の黒いチップで、

白く残った半端な期待を

ひっくり返して欲しかった。



「俺の女になりなよ。」



パタンと音を立てて

最後の一つが返された。



fin.
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