POISON DOROPS《TABOO~秘密の恋~短編集》

地元に帰って同級生との新年会

彼に会いたくなくてずっと避けてきたけど、

もう、大丈夫って参加した。

だって、あたしには東京に行けば彼がいる。


なのに、なのに、

目の前の彼を見たとたん、

10年前にフラッシュバックして、

思いは溢れ出して…


「梨々子、

 あの時は、

 俺遠くの高校行くのに、

 お前を縛りたくなくて、

 ホントは、

 ホントは俺、お前のこと…」



「あははっ!

 なぁ~に本気になってんのよ

 ばぁ~~か昔のことでしょ昔の!」



彼の言葉を全部聴くのが怖くて

わざとふざけた言い方をした。



「あっ」


カクンとした瞬間

ヒールが折れた。




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