POISON DOROPS《TABOO~秘密の恋~短編集》
天罰なのかな、

彼がいるのに揺らいでいる私に


10年も経つのにこの人をせめる私に

神様が与えたバツ。



ポロリと涙がこぼれた。


「ああ、もうっ」


ヒールを脱いで歩き始めた。



「馬鹿裸足で、怪我するだろ!」


「だって!」


「おぶってやるから背中に乗れ!」


「やだ、

 重いし、

 恥ずかしい…」


「誰も見てないよ、ほら」


「う、うん。」


あの頃より遥かに広くなった

背中に身を任せる。


じわじわと伝わってくる暖かさに

必死でしがみついた。
< 58 / 70 >

この作品をシェア

pagetop