POISON DOROPS《TABOO~秘密の恋~短編集》
「挨拶はその日でいい?」


「はい。」


「ごめん、僕これから仕事の打ち合わせ入ってるんで、

 明梨さん後で電話します。」


海外交渉担当の彼、

時々夜でも打ち合わせが入る。


私は笑顔を浮かべながら頷く。


彼は安心したように笑顔になると手を振って走り去った。



ホテルのバーに一人残される私は、

後ろ姿を見送りながらため息をつく。



いい人だと思う。


でも、愛してはいない。


『いいのかな?』


って、気持ちがつきまとう

マリッジブルーってやつとはちょっと違う。



「彼氏?」




背中から降ってくる声


体中に電流が走った。




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