POISON DOROPS《TABOO~秘密の恋~短編集》
「バイク故障で、

 スタンド探してたら、ファンに見つかってね。」


「有名人ですもの」


「君、せっかく浴衣着てるのに台無し。

 ごめんね。」


「いいんです。どうせ、彼にドタキャンされたし。」


「じゃあさ…」


「はい喜んで!」


「まだ何も言ってない」


「す、すみません」


マサは笑って言った。


「スタンドまで案内してくれない?」



あ、、そっか、デートとか甘いこと

ばかな私。


「デートはその後でね」


「え?」


「がっかりしてたみたいだから。」


「やだ私ったら。」


穴があったら入りたいよ。


「こっちです。」



私は俯きながら、スタンドへと歩き始めた。

マサはクククと笑いながらバイクを押してついてくる。




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