Conte de fées
Ⅲ
ここは町のはずれにある大きな木の下。
5年前のできごと以降、いきなり生えだしたのだ。
一週間もしないうちに大樹になった。
きっと亡くなった人たちの思いがそうさせたんだ。
と町の人は言い、神木として崇められている。
キピラスという町。
緑に覆われた自然豊かで水の綺麗な町。
世界で数少ない妖精と共存する町。
10才になると親から一人一匹ずつ妖精が与えられる。
妖精といってもみんなが想像しているようなものではない。