【完】一途彼氏が愛する毒舌彼女
「誰か…助けて…!」

そう言った瞬間あいつの顔が思い浮かんだ。

神堂隆弘…。

今日会ったばかりのやつに助けを

求めてるのか…私は…。

人は信じちゃいけない…。

そう信じちゃいけない。

いつかは裏切られる。

そうやって自分に言い聞かせる。

でもいくら言い聞かせても消えてくれない…

あいつの顔…。

「どうして…。」

勝手に私の心にズカズカ入ってきて、

無理矢理彼女されて挙げ句の果てには

メイドにまでされて…なのに何で…。

私の頬に涙が零れた。

その時声が聞こえた。

『千晃ぃ~♪』

間違いなくあいつの陽気な声。
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