かえるのおじさま
いぶかしみながら扉を開ければ、そこには、固く口をひき結んだ蛙頭の少女が立っていた。
木の実集めを手伝ってくれた、あの少女だ。
「あら、どうしたの?」
美也子の優しい声に安心したのか、その子は下瞼を少し引き上げる。
大きな口が笑いの形に変わった。
「あのおじちゃんは?」
「ギャロに用事? その辺で屋台を作っていると思うから、呼んでこようか」
「いいの、いいの。え~っと……」
きゅるりと馬車の中を見回した蛙娘は、床に並んだネックレスに目を留める。
「あれ。あれを作るの、お手伝いしようと思って」
明らかな思い付きの言葉だ。
それでも美也子は気づかぬフリをして、少女を馬車に招き入れた。
「じゃあ、これを紐に通してね、こういう感じで……」
どうせビーズはたくさんあるのだから、一本分ぐらいはこの少女にくれてやってもいい。
そう思ったのだが、この少女はギャロの姪だけあって、ひどく器用であった。
それに、飲み込みも早い。
飾りのこぶを作る『サルのこぶし結び』なども、一度か二度、手本を見せただけですっかり覚えた。
木の実集めを手伝ってくれた、あの少女だ。
「あら、どうしたの?」
美也子の優しい声に安心したのか、その子は下瞼を少し引き上げる。
大きな口が笑いの形に変わった。
「あのおじちゃんは?」
「ギャロに用事? その辺で屋台を作っていると思うから、呼んでこようか」
「いいの、いいの。え~っと……」
きゅるりと馬車の中を見回した蛙娘は、床に並んだネックレスに目を留める。
「あれ。あれを作るの、お手伝いしようと思って」
明らかな思い付きの言葉だ。
それでも美也子は気づかぬフリをして、少女を馬車に招き入れた。
「じゃあ、これを紐に通してね、こういう感じで……」
どうせビーズはたくさんあるのだから、一本分ぐらいはこの少女にくれてやってもいい。
そう思ったのだが、この少女はギャロの姪だけあって、ひどく器用であった。
それに、飲み込みも早い。
飾りのこぶを作る『サルのこぶし結び』なども、一度か二度、手本を見せただけですっかり覚えた。