かえるのおじさま
その結果がこれだ。
どうやら俺と恋人だと思われるのは、彼女には不快な事らしい。

「大体が、なんでストリップなんかしていたんだ」

八つ当たりなど子供っぽい行為だと自覚している。
それでも美也子を責めずにはいられない。

「外の世界から来たあんたには解からないかも知れないがなあ、この世界の男は、その気になればあんたを抱く事だって出来るんだぞ」

「知ってる。水浴びのとき、女の人の裸は見たから」

そうだ。旅の最中、女衆と水浴びをする機会など何度もあったのだから、自分の体とさほど構造が変わらぬことに気づかぬはずが無い。

「だったら解かるだろう! あいつらのオカズにされるんだぞ。見知らぬ男が自分の裸をネタにしてるなんて、気持ち悪くないのか?」

「だって、他に売るものなんてなかったモン!」

美也子の声が涙を含んだ。

「珍しいって言ったって、ただ立っていれば良いって訳じゃないし、歌だって、そんなにびっくりするほど上手なわけじゃないし……」

「だから、どうして……俺を頼ってくれない」

ギャロの声が含むのは、悲哀。
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