純白の闇


手招きをされて、
何をしただろうかと、
先生の元へ行く。


「お前なぁ。皆がお前の解答を
写ししてばかりで、
ろくに授業を聞かないのは困るんだよ。
分かるだろ?」

ついに痺れを切らしたのか
先生は僕に注意をしてきた。


何で、僕が注意されなきゃいけないんだ。


「はい、すいません。」

僕だって喜んで皆に
見せているわけじゃないのに。


「お前が成績がいいのは分かる。
でもな、他の奴らの中には
受験する奴だっているんだ。

そいつらの事を本当に思っているなら
ノートの解答を写させるなんて止めろ。
ちゃんと断れ。」

「はい。」


じゃあ、先生はどうしてそいつらに
注意しないんだろう。
僕なんかに言ったって。
僕は断れないのに。

「もう戻って良いぞ。」


先生は威厳を振りまきながら
教室から出て行く。


その後は、最悪だった。
先生との会話を聞いていたクラスの奴が
僕のご機嫌取りにやってきた。

「大丈夫、ちゃんと今まで通り、見せるよ。」

そう答えれば、皆去っていったけど。

また1つ、穴が開く。

< 14 / 60 >

この作品をシェア

pagetop