純白の闇

スッと隣を通り抜け
いつもの自分の席に座る。

するといつも通り


「中村~、ノート貸して~」
「あ、じゃあ次俺!!」
「じゃあ、その次っ!」


「…うん。どうぞ。」

「誰もお前の意見なんて聞かないのな。」
(…いつもの事だから。)

「だからお前のノート汚いんだな。」
(昨日から、見てたんじゃないんですか。)

「この時は校内ウロウロしてたからな。」


僕よりも、もっと他に
獲物が居たろうに。


「おい、お前らたまには自力でやれよ。
昨日、中村怒られてただろうが。」

今日ぐらい、止めとけっ。


その声とともに、僕の前に置かれた
僕のノート。


「さすが"爽やかな正統派イケメン"。やるねぇ。」

レヴィは面白そうだ。

「橘、僕は気にしてないから、いいよ?」

「いーんだよ。」

橘がなぜか僕のノートを
クラスメートから取り返してくれた。
……何で?

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