+°。* あんな、好きやねん * 。°+ (短編)
続けて和貴が話す。
「 俺と付き合って下さい。里奈、好きやで 」
鼓動がうるさくなっていく。
和貴に聞こえそう。
自分から好きって言ったのに、
つい聞きたくなった。
「 うちで、ええの? 」
「 里奈がいい 」
期待通りの応えに目頭が熱くなる。
でも、泣かへん。
嬉しい時は笑った方がいいやろ?
「 いひ、いひひひひ…ヒック…ヒッ… 」
「 な、なんや!って泣いてるやん!里奈ぁ~!泣かんといて~ 」
笑われへんかった。
和貴はオロオロしちゃってるし。
うちは空回りばっかや。
でも、そんなうちを受け入れてくれた。
ありがとう和貴。
「 里奈、手 」
まだ、すすり泣いてるうちに
差し出された大きな手は、
どこか温かくて。
なんか愛おしくて。
帰り道も和貴となら、
鼻歌混じりに歩いてしまうねん。
これから、支えあっていこな?
和貴が寂しい時はうちが側に居てあげる。
泣きたい時はうちがその分泣いてあげる。
我慢なんかせんでいい。
ありのままの和貴が好きやねん。
-END-