+°。* あんな、好きやねん * 。°+ (短編)
よそ見して歩いたうちが悪かった。
あぁ…絶対和貴に笑われる。
小石につまずくとかダサ。
だんだん視界が下がっていく。
痛っ……!
くない。
え、なんで?
うちの体を支えてるのは
和貴の腕。
「 おい、大丈夫か?」
か、顔近いって!
うちと和貴の間隔わずか15cmってとこかな。
「 あの、えと、その… 」
動揺が波のように迫ってくる。
「 ん?どうした? 」
「 や、あの、えと、その… 」
ん?っと首を傾げる、和貴。
そして、だんだん熱を帯びてゆくうちの顔。
もう、見んといて。
顔を背けたうちの目線を追って
避けられないようにする和貴の目。
我慢出来ずに自力で立ち上がった。
そして、そそくさと1人で家へと帰る。