+°。* あんな、好きやねん * 。°+ (短編)
和貴の部屋は家と家の隙間を挟んで
うちの部屋の隣。
窓を開ければ和貴と話が出来る。
メールの指示通りに窓を開けると
和貴が頬杖して暗闇を見上げていた。
そして、うちに気づく。
「 おう 」
「 や、やぁ 」
我ながら最悪の返事。
ぷっ…と吹き出す和貴は
目に少し涙を滲ませながら笑っている。
そんな笑わんでもええやんか。
すねるうちを見て、
「 手伸ばしてみ?」
少し身を乗り出して手を伸ばすと
和貴も手を伸ばした。
お互いの手が当たるか当たらんかの所で
うちの手を温かいものが包んだ。
それは和貴の手。
予想以上に大きくて、
ゴツゴツしてて、
男らしい。
「 アメちゃんあげる 」