あの日まではただの可愛い女《ひと》。
葵は桜に伸ばされた手を、攫うようにしてキスを落とした。
桜の意外に小さい手に毎度驚きを隠せない。小さくて白くて少しだけふっくりしている。全体的にスレンダーな肢体なのに手だけが小さくて少女のようだと葵は思った。
柔らかい顔の輪郭をたどるように短いキスを落としていく。桜の手は葵の背中にゆるく巻きついていた。珍しく目線が葵に当てられたままである。普段は恥ずかしそうに伏せられていることが多いのに。
先ほどのやり取りが脳裏によぎった。まだ心配しているんだろうかと、小さく思う。
桜が考えているようなことを考えていたわけではなかったのに。
――俺のほうが慰められているんだろうか?
ふとそう思うが、体は桜の柔らかさを追い求めて性急に思考を流していく。
深く、浅いキスの繰り返しに、たかがキスなのに、思考が蕩けるような感覚を覚える。自分はかなり大きな手だと思うのに、葵の手に余るような桜の乳房を揉みしだく。桜の喉からは『あ…』とか言う短いかすれ声がたまに出る状態で、もうそれだけで自分の中が甘い気持ちでいっぱいになる。
普段そんな乱暴な跡を残さないのに、まろい肩に噛付いた。たぶん先に桜に煽られたせいで自分に余裕があまりないせいかもしれない。
「あぅっ」
少しだけ弓なりに反応する桜に笑いが漏れた。
「肩噛むだけで感じちゃったんですか?」
「う、で、電気が走ったぁ」
もうなんでそんなに無邪気なんですか?と、桜が自分では意識しない色香に持っていかれそうになる。両手でこねながら、顔をうずめるように胸を愛撫する。
「あ、あ。ん」
頂を舐めたり、噛んだり、捏ね上げたりして桜を煽っていく。
胸だけでイった事あったっけかなぁ、この人?と、自分に余裕があまりないのに丁寧に一つ一つのパーツを味わう。ふるりとした感触と、滑らかな絹のような柔らかい肌触りを楽しむ。
頂の溝をえぐるように舌で味わった後、指でボタンを押すように押し込んだ。
「あっ、ん、んんんーーっ」
体をよじるように桜が甘く啼き声を上げる。
「はっ、ふ」
「桜さん、胸感じやすくなってきましたね」
「も…、ばかぁ」
「いやだって、呆れるほど甘やかそうとしてるんですけど?」
もうぐずぐずに溶けてしまうんじゃなかろうかと思うほど、桜の体が柔らかさを増した。ゆっくり味わおうとは思っていたが、先ほどの桜の『甘やかして』というおねだりのおかげか、あまり自分が持ちそうにないことに葵は気がついた。
体が熱くて、自分でも追い立てられてしまっている。胸だけをいじっていたわりには、指を入れてみた桜の膣内はとても熱く潤っていた。
「桜さん、ちょっと乱暴にしてもいい?」
「…ん。イ、イよ。す、好きにして?」
快感に桜も押し出されて涙を散らしながら、桜の脇に体を支えるために置いた葵の手首の上に手を重ねて握ってきた。
桜のへにゃっとなった体を押し開いて、桜の片脚を自分の肩に持ち上げるように乗せて葵は自分をねじ込んだ。
「ぅ、は…っ」
桜が快感ではなく、衝撃で声を上げた。心配して顔を覗き込むと涙をためた瞳で、葵に大丈夫というように頷く。
「ぁっ…」
それを確認してから、深く穿つように、腰を動かした。
「ン。あ、ソコ、だ、め」
桜の感じるところを刺激したんだろう。ダメといいつつ、密やかな甘い声を桜が上げる。
水音と、肌がこすれあう音が耳に届く。合間に桜の喉から微かな嬌声が擦れるように流れ出す。
びくりと体を揺らして、桜が葵の腕に爪を立てた。
「んん。あお、い…。だめって――」
「もっと、爪立てて? 俺に跡残して?」
優しげな声で葵は桜をさらに 煽った。
うぁぁんというような声を上げて、桜が涙を流すが、葵は自分の動きを止められなかった。
「桜さん、ココだめ?」
「ダ、ダメ…。なん…か、出ちゃ、うっ」
穿つ動きを止めずに、押しまわすような動きも入れて桜の膣内を蹂躙する。熱い粘膜が絡み付いてきて、葵も煽られる。熱くてドロドロになったゼリーのような感触。押し戻そうとしたり、さらに奥へ誘い込まれるようななんともいえない膣内の複雑なぐにぐにとした動きに葵の思考も溶けてしまいそうになる。
「――っっあーーーぁっ」
桜の膣内がしまってうねる。葵はぐいっとさらに突いて、桜の奥をさらにえぐるように押し込んで揺らす。子宮の入り口に当ったのか、桜が激しく痙攣するのを見届けてから、自分を解放した。
しばらくは、はぁはぁという吐息しかしばらくは室内に響かない。それくらい二人ともぐったりとしばらくしていた。
普段なら、この時点で葵が桜を抱きしめてくるのだが、葵も息切れしているのか少しだけ距離があるような気がして、桜が動かない身体を、何とかずりずりと転がして葵を抱きしめるようにすがってくる。葵は桜を抱きしめなおしたが、その瞬間に思わずうなってしまった。
「う…」
「桜さん、大丈夫?」
「――だめ…。なんか、太ももっつか、股関節っつーか、股が割れるっっていうか…」
「ぷっ。桜さん体、結構硬いですね」
「う、うっさい」
少し落ち着いたので、葵が桜の体から、自分を引き剥がして後始末を始めた。
桜も手伝おうと身を起こすが、逆にシーツにくるまれてしまう。
「もうほんと、体動かすのつらいでしょ。お風呂にお湯張ってくるから、桜さんはそのままでいて」
「いやでも…」
「まだまだ、甘やかし足りませんからね。せっかく呆れるくらいってオーダーいただいたわけですし。ちょっと体力温存しといた方がいいデスヨ」
「え――」
呆気にとられる桜ににやりと笑ってから、葵はするりとベッドから抜け出した。
結局、朝方まで桜は葵に『甘やかされ』まくって気を失うように眠った。
そんな桜の寝顔を葵は愛おしく眺める。
それから、はーーーっと、大きなため息をひとつこぼした。
桜の意外に小さい手に毎度驚きを隠せない。小さくて白くて少しだけふっくりしている。全体的にスレンダーな肢体なのに手だけが小さくて少女のようだと葵は思った。
柔らかい顔の輪郭をたどるように短いキスを落としていく。桜の手は葵の背中にゆるく巻きついていた。珍しく目線が葵に当てられたままである。普段は恥ずかしそうに伏せられていることが多いのに。
先ほどのやり取りが脳裏によぎった。まだ心配しているんだろうかと、小さく思う。
桜が考えているようなことを考えていたわけではなかったのに。
――俺のほうが慰められているんだろうか?
ふとそう思うが、体は桜の柔らかさを追い求めて性急に思考を流していく。
深く、浅いキスの繰り返しに、たかがキスなのに、思考が蕩けるような感覚を覚える。自分はかなり大きな手だと思うのに、葵の手に余るような桜の乳房を揉みしだく。桜の喉からは『あ…』とか言う短いかすれ声がたまに出る状態で、もうそれだけで自分の中が甘い気持ちでいっぱいになる。
普段そんな乱暴な跡を残さないのに、まろい肩に噛付いた。たぶん先に桜に煽られたせいで自分に余裕があまりないせいかもしれない。
「あぅっ」
少しだけ弓なりに反応する桜に笑いが漏れた。
「肩噛むだけで感じちゃったんですか?」
「う、で、電気が走ったぁ」
もうなんでそんなに無邪気なんですか?と、桜が自分では意識しない色香に持っていかれそうになる。両手でこねながら、顔をうずめるように胸を愛撫する。
「あ、あ。ん」
頂を舐めたり、噛んだり、捏ね上げたりして桜を煽っていく。
胸だけでイった事あったっけかなぁ、この人?と、自分に余裕があまりないのに丁寧に一つ一つのパーツを味わう。ふるりとした感触と、滑らかな絹のような柔らかい肌触りを楽しむ。
頂の溝をえぐるように舌で味わった後、指でボタンを押すように押し込んだ。
「あっ、ん、んんんーーっ」
体をよじるように桜が甘く啼き声を上げる。
「はっ、ふ」
「桜さん、胸感じやすくなってきましたね」
「も…、ばかぁ」
「いやだって、呆れるほど甘やかそうとしてるんですけど?」
もうぐずぐずに溶けてしまうんじゃなかろうかと思うほど、桜の体が柔らかさを増した。ゆっくり味わおうとは思っていたが、先ほどの桜の『甘やかして』というおねだりのおかげか、あまり自分が持ちそうにないことに葵は気がついた。
体が熱くて、自分でも追い立てられてしまっている。胸だけをいじっていたわりには、指を入れてみた桜の膣内はとても熱く潤っていた。
「桜さん、ちょっと乱暴にしてもいい?」
「…ん。イ、イよ。す、好きにして?」
快感に桜も押し出されて涙を散らしながら、桜の脇に体を支えるために置いた葵の手首の上に手を重ねて握ってきた。
桜のへにゃっとなった体を押し開いて、桜の片脚を自分の肩に持ち上げるように乗せて葵は自分をねじ込んだ。
「ぅ、は…っ」
桜が快感ではなく、衝撃で声を上げた。心配して顔を覗き込むと涙をためた瞳で、葵に大丈夫というように頷く。
「ぁっ…」
それを確認してから、深く穿つように、腰を動かした。
「ン。あ、ソコ、だ、め」
桜の感じるところを刺激したんだろう。ダメといいつつ、密やかな甘い声を桜が上げる。
水音と、肌がこすれあう音が耳に届く。合間に桜の喉から微かな嬌声が擦れるように流れ出す。
びくりと体を揺らして、桜が葵の腕に爪を立てた。
「んん。あお、い…。だめって――」
「もっと、爪立てて? 俺に跡残して?」
優しげな声で葵は桜をさらに 煽った。
うぁぁんというような声を上げて、桜が涙を流すが、葵は自分の動きを止められなかった。
「桜さん、ココだめ?」
「ダ、ダメ…。なん…か、出ちゃ、うっ」
穿つ動きを止めずに、押しまわすような動きも入れて桜の膣内を蹂躙する。熱い粘膜が絡み付いてきて、葵も煽られる。熱くてドロドロになったゼリーのような感触。押し戻そうとしたり、さらに奥へ誘い込まれるようななんともいえない膣内の複雑なぐにぐにとした動きに葵の思考も溶けてしまいそうになる。
「――っっあーーーぁっ」
桜の膣内がしまってうねる。葵はぐいっとさらに突いて、桜の奥をさらにえぐるように押し込んで揺らす。子宮の入り口に当ったのか、桜が激しく痙攣するのを見届けてから、自分を解放した。
しばらくは、はぁはぁという吐息しかしばらくは室内に響かない。それくらい二人ともぐったりとしばらくしていた。
普段なら、この時点で葵が桜を抱きしめてくるのだが、葵も息切れしているのか少しだけ距離があるような気がして、桜が動かない身体を、何とかずりずりと転がして葵を抱きしめるようにすがってくる。葵は桜を抱きしめなおしたが、その瞬間に思わずうなってしまった。
「う…」
「桜さん、大丈夫?」
「――だめ…。なんか、太ももっつか、股関節っつーか、股が割れるっっていうか…」
「ぷっ。桜さん体、結構硬いですね」
「う、うっさい」
少し落ち着いたので、葵が桜の体から、自分を引き剥がして後始末を始めた。
桜も手伝おうと身を起こすが、逆にシーツにくるまれてしまう。
「もうほんと、体動かすのつらいでしょ。お風呂にお湯張ってくるから、桜さんはそのままでいて」
「いやでも…」
「まだまだ、甘やかし足りませんからね。せっかく呆れるくらいってオーダーいただいたわけですし。ちょっと体力温存しといた方がいいデスヨ」
「え――」
呆気にとられる桜ににやりと笑ってから、葵はするりとベッドから抜け出した。
結局、朝方まで桜は葵に『甘やかされ』まくって気を失うように眠った。
そんな桜の寝顔を葵は愛おしく眺める。
それから、はーーーっと、大きなため息をひとつこぼした。