あの日まではただの可愛い女《ひと》。
「ふふ。葵でも驚くことがあるのね。――キャっ」
くるりと位置を入れ替えてベッドの上に仰向けに転ばされる。
「まったく。今度は俺が桜さんのどこが好きか思い知らせてあげますよ」
そう言って意地悪く、桜をにやりと見つめてから、服を剥ぎながら丸い肩にまずかじりついた。
「ぁ…」
「桜さんの丸い肩はいっつも美味しそうだよね」
ちゅっと音をさせて鎖骨の辺りを吸う。
「んん。だめぇ。痕つく」
「明日、休みでしょ?」
「ア、アキと、あうんだ、もん」
少しだけ考え込んでから葵が言う。
「明日のコーディネイト、鎖骨見えないから大丈夫」
付き合いだしてからいつのまにか、葵にもコーディネイトを握られるようになっていた。なので明日着ていく服がばれてしまっている。というかたまに下着まで指示してくるので正直より一層、着るものに関しては桜は自由がない。
「桜さんの唇…柔らかくて、触るとふわっとしていて、ずっと舐めたり、噛んだりしたい…」
――でも今日は奈良漬か?っていうくらい日本酒の味がするけど。
そう言って桜をからかいながら口づけを繰り返す。桜は抵抗しようとするが、ぬるっとした肉厚の舌に口内を散々なぶられて、息が出来ず、ふはっとしか吐息を漏らすしかできない。
「耳はどっちも好きだけど、特に左の耳…」
「やぁぁん」
はむっと外耳の辺りに歯を立てられ、舐められてくつくつと笑われる。吐息がかかるたびに、肩が上がって反応してしまう。耳のラインを舌でたどりつつ、囁く。
「あとはどこが好きかなぁ」
肩に手を置かれて、それより下は触られないことにすこし、焦れる。
「脇も二の腕も柔らかくておいしいよね」
「んっ」
桜は脇の下辺りの柔らかい肉もかじられて舐められて、むずかゆい気分で、空いている片方の手で葵のシャツの腕を掴む。
「指…。爪噛まなくなったね」
そう言ってぬるりとした感触に思わず桜の肩が跳ねる。指を一本一本ざらりとした舌で舐められる。爪はそういえば葵とこうなりだしてから、噛まなくなって今はジェルネイルに変わった。細かいところであるが、そういう少しだけの変化さえもうれしい。
「わき腹やお腹のラインもいいね。白くて、俺の痕がしっかり残るよ」
ジュっというリップ音がして、赤い痕が桜のお腹に残された。
「も、もうぅぅ」
怒っていいんだか、焦らされて早く触って欲しいんだかわからずに、甘えた声が自分の口から漏れて胸が赤く染まる。
「恥ずかしがって、赤くなるここも好きだなぁ」
そう言って葵がやっとブラジャーのラインを辿るように白い胸を触る。ただゆるく触るので、もっと快感を追いたくなった桜の腰が揺れる。腹が立って、桜は葵の腹筋を下から上に何度も撫で上げる。
「――!」
「あお、いの、お尻も…すきだよ?」
震える手で何とかベルトのバックルをはずして、ウエストをくつろげた。葵の背中側に手をまわして触れる。
「少し硬くて、私…と全然違う、んだもん」
そうやって、二人それぞれの好きな箇所を触るために、お互いの服を徐々に脱がしていく。ブラジャーを剥ぎ取って、頂に口付けされたときには、桜にしては珍しく鋭い声を上げて反応してしまったほどだ。
「ふっあぁぁっ」
葵の硬い背中に手を回してしがみつく。熱くて動きに合わせて、きゅっと筋肉が皮膚の下で動く様にうれしくなってしまう。背中から下に手を滑らして、前に持ってきて葵自身に指が掠る。一瞬で緊張をして背中の筋肉が動いたのが手のひらに感じられた。
「っっ!」
思わず楽しくなって桜はそれに手を伸ばした。葵に望まれて何度か触ったことはあるが、自分から積極的にそれに手を添えたのははじめてである。
「――あつっ」
ドクリと脈打つように、少し大きくなった感触がうれしくなる。
「ちょ、さ…くらさ、ん」
「ン…。うれしい?」
少し扱くように上下に揺らす。少し湿っていて、先のほうに出ている塗るつきを広げるように、柔らかくしごいた。
「うぁ…」
そんな反応を引きずり出す妙な快感が桜の胸のうちに灯った。少し苦しそうな葵の頬に口付ける。
「葵のどこもかしこも好き。優しいところも、意地悪なところも、私をからかって遊ぶところも、腹が立つけど…好き」
「俺も。さくら、さんの…いろんなところ好きだよ。俺の目論見全部壊しちゃうところとか、がっくりするけど、そんな桜さんが」
剥ぎ取るように、ショーツを落として、器用に避妊具をはめる。それから桜の手を自分の手に握りこんでから、桜の秘所に葵は自分のものを擦り付ける。
「ぁ…。だめっ。あ、あついよっ」
「もう、まだ上半身の途中しかっ、いえてな…いのに」
そう言って、指を入れて桜の蜜口を少しほぐすがすでに潤って柔らかかった。葵は自分を桜の中にゆっくりと突き立てた。
「んんん――!!」
ぐちゅっという音が同時に下半身から上がる。擦りつけあって、お互い体を揺らす。
「くっ…」
「ぁああ、んーーっ」
数回擦られるだけで、桜の背中が弓なりになって、視界が真っ白に染まった。その後、ビクビクと痙攣する桜の膣内をさらに擦ってから葵も桜の中で果てた。
はっと気がついたときに、汗に濡れた葵の顔が見えた。顔に張り付いた髪の毛をかきあげてやる。少し猫っ毛っぽいやわらかな感触。
「男の人って髪の毛硬そうだけど、触ると柔らかいのね…」
「そこも好きなパーツ?」
「ふふ、そうね…、すごく好き」
ちゅっと桜の頬にかじりつくようにキスを落とした後に、葵が少しだけ黒い笑みをのせた。
「桜さん、まだお腹から下と後ろ側の話してませんからね」
「えっ!?」
「しかもガーターストッキング、ラブな話も出来てませんし!」
「いやちょっと、昨日もシたしっ……、ま、まっ…!」
そんな慌てる桜にお構いなしに、今晩は長いですよと言って、葵が桜の唇を決定的に塞いだ。
くるりと位置を入れ替えてベッドの上に仰向けに転ばされる。
「まったく。今度は俺が桜さんのどこが好きか思い知らせてあげますよ」
そう言って意地悪く、桜をにやりと見つめてから、服を剥ぎながら丸い肩にまずかじりついた。
「ぁ…」
「桜さんの丸い肩はいっつも美味しそうだよね」
ちゅっと音をさせて鎖骨の辺りを吸う。
「んん。だめぇ。痕つく」
「明日、休みでしょ?」
「ア、アキと、あうんだ、もん」
少しだけ考え込んでから葵が言う。
「明日のコーディネイト、鎖骨見えないから大丈夫」
付き合いだしてからいつのまにか、葵にもコーディネイトを握られるようになっていた。なので明日着ていく服がばれてしまっている。というかたまに下着まで指示してくるので正直より一層、着るものに関しては桜は自由がない。
「桜さんの唇…柔らかくて、触るとふわっとしていて、ずっと舐めたり、噛んだりしたい…」
――でも今日は奈良漬か?っていうくらい日本酒の味がするけど。
そう言って桜をからかいながら口づけを繰り返す。桜は抵抗しようとするが、ぬるっとした肉厚の舌に口内を散々なぶられて、息が出来ず、ふはっとしか吐息を漏らすしかできない。
「耳はどっちも好きだけど、特に左の耳…」
「やぁぁん」
はむっと外耳の辺りに歯を立てられ、舐められてくつくつと笑われる。吐息がかかるたびに、肩が上がって反応してしまう。耳のラインを舌でたどりつつ、囁く。
「あとはどこが好きかなぁ」
肩に手を置かれて、それより下は触られないことにすこし、焦れる。
「脇も二の腕も柔らかくておいしいよね」
「んっ」
桜は脇の下辺りの柔らかい肉もかじられて舐められて、むずかゆい気分で、空いている片方の手で葵のシャツの腕を掴む。
「指…。爪噛まなくなったね」
そう言ってぬるりとした感触に思わず桜の肩が跳ねる。指を一本一本ざらりとした舌で舐められる。爪はそういえば葵とこうなりだしてから、噛まなくなって今はジェルネイルに変わった。細かいところであるが、そういう少しだけの変化さえもうれしい。
「わき腹やお腹のラインもいいね。白くて、俺の痕がしっかり残るよ」
ジュっというリップ音がして、赤い痕が桜のお腹に残された。
「も、もうぅぅ」
怒っていいんだか、焦らされて早く触って欲しいんだかわからずに、甘えた声が自分の口から漏れて胸が赤く染まる。
「恥ずかしがって、赤くなるここも好きだなぁ」
そう言って葵がやっとブラジャーのラインを辿るように白い胸を触る。ただゆるく触るので、もっと快感を追いたくなった桜の腰が揺れる。腹が立って、桜は葵の腹筋を下から上に何度も撫で上げる。
「――!」
「あお、いの、お尻も…すきだよ?」
震える手で何とかベルトのバックルをはずして、ウエストをくつろげた。葵の背中側に手をまわして触れる。
「少し硬くて、私…と全然違う、んだもん」
そうやって、二人それぞれの好きな箇所を触るために、お互いの服を徐々に脱がしていく。ブラジャーを剥ぎ取って、頂に口付けされたときには、桜にしては珍しく鋭い声を上げて反応してしまったほどだ。
「ふっあぁぁっ」
葵の硬い背中に手を回してしがみつく。熱くて動きに合わせて、きゅっと筋肉が皮膚の下で動く様にうれしくなってしまう。背中から下に手を滑らして、前に持ってきて葵自身に指が掠る。一瞬で緊張をして背中の筋肉が動いたのが手のひらに感じられた。
「っっ!」
思わず楽しくなって桜はそれに手を伸ばした。葵に望まれて何度か触ったことはあるが、自分から積極的にそれに手を添えたのははじめてである。
「――あつっ」
ドクリと脈打つように、少し大きくなった感触がうれしくなる。
「ちょ、さ…くらさ、ん」
「ン…。うれしい?」
少し扱くように上下に揺らす。少し湿っていて、先のほうに出ている塗るつきを広げるように、柔らかくしごいた。
「うぁ…」
そんな反応を引きずり出す妙な快感が桜の胸のうちに灯った。少し苦しそうな葵の頬に口付ける。
「葵のどこもかしこも好き。優しいところも、意地悪なところも、私をからかって遊ぶところも、腹が立つけど…好き」
「俺も。さくら、さんの…いろんなところ好きだよ。俺の目論見全部壊しちゃうところとか、がっくりするけど、そんな桜さんが」
剥ぎ取るように、ショーツを落として、器用に避妊具をはめる。それから桜の手を自分の手に握りこんでから、桜の秘所に葵は自分のものを擦り付ける。
「ぁ…。だめっ。あ、あついよっ」
「もう、まだ上半身の途中しかっ、いえてな…いのに」
そう言って、指を入れて桜の蜜口を少しほぐすがすでに潤って柔らかかった。葵は自分を桜の中にゆっくりと突き立てた。
「んんん――!!」
ぐちゅっという音が同時に下半身から上がる。擦りつけあって、お互い体を揺らす。
「くっ…」
「ぁああ、んーーっ」
数回擦られるだけで、桜の背中が弓なりになって、視界が真っ白に染まった。その後、ビクビクと痙攣する桜の膣内をさらに擦ってから葵も桜の中で果てた。
はっと気がついたときに、汗に濡れた葵の顔が見えた。顔に張り付いた髪の毛をかきあげてやる。少し猫っ毛っぽいやわらかな感触。
「男の人って髪の毛硬そうだけど、触ると柔らかいのね…」
「そこも好きなパーツ?」
「ふふ、そうね…、すごく好き」
ちゅっと桜の頬にかじりつくようにキスを落とした後に、葵が少しだけ黒い笑みをのせた。
「桜さん、まだお腹から下と後ろ側の話してませんからね」
「えっ!?」
「しかもガーターストッキング、ラブな話も出来てませんし!」
「いやちょっと、昨日もシたしっ……、ま、まっ…!」
そんな慌てる桜にお構いなしに、今晩は長いですよと言って、葵が桜の唇を決定的に塞いだ。