俺の彼女


「何、やってんの!こんな時間まで!!」


耳をつんざくような怒鳴り声が、携帯越しに聞こえてきた。 


また、よりによって、こんなときに……。


どこまでも、俺ってついてねぇ。 



「……分かった?あんたね、ちゃんと連絡ぐらい寄越しなさいよ!いい?…ちょっと、聞いてんの?」



「あぁ…。あぁ?…あぁ、分かったよ…っせえな!じゃあな」



ピッと、電源ボタンを押し、すぐさま電源をOFFにした。


……ったく!いい加減にしてくれよ。


俺はそれどころじゃねぇ、つうの。 


ふと、顔を上げると


前を歩いていたはずの麻美ちゃんが、立ち止まって俺の方に身体を向けていた。


距離にして、数メートル。



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