俺の彼女


「ねぇ、もしかして緊張してる?……なんてね!」


麻美ちゃんは、悪戯っ子のように笑う。


俺も、アハハ…と、大して面白くもないのに同じように笑う。 


緊張してない、といったら嘘になる。


今、俺の心臓の音を聞かれたら… 


恥ずかしくて、顔を上げられないだろう。 


でもさぁ……

 
麻美ちゃんって、やっぱり意地悪なのかなぁ? 


「俊ちゃ〜ん♪ご褒美に部屋の中に入れたけど、これで満足だったかな?」 


なんて、聞くんだぜ!


そりゃあ、部屋には入れたけど、俺の本当の望みは――。 


分かってて聞いてんのかな?

それとも、ただの天然? 


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