そんなあなたは先生でした…(番外編)
「礼ちゃんから?」
陽は頷いて笑った。
いいなぁ……
「麗華、見て見ろよ…」
陽が指を指したのは満月だった。
「美味しそうな月だと思わない?」
「えーっ…」
「ほら、なんか黄色いしさぁ」
上を向くと涙が乾く。
陽と話すと昔から涙が止まる。
「月っていいな」
「え?」
「だって、ほら。
こっちから見ても……こっちから見ても同じだろ?」
ブランコから立ち上がって言った。
「そんなに心配するなって……。
奏は絶対に麗華を幸せにしてくれるから。
だから…」
あたしは陽に抱き付いて泣いた。
急に涙が溢れた。
礼ちゃん、ごめん……
心の中で謝って、
陽に甘えた。
陽もこんなあたしを包み込んでくれた。