ありがとう。
《美喜side》




水の中は




寒くて、息ができなくて





苦しかった






そんなことわかっていたはずなのに、どうしても、病気なんかで死にたくなかったんだ。








私は小さい頃から弱くて泳げなかったから “水” は、未知の世界だった。





死を宣告された時、




その未知の世界が目の前に広がったんだ。






もしかしたら最期に何もわからない、何も知らなくていい、何も気にしなくていい・・・・・



そんな、何にも無いけど、運命に逆らって死ぬことができる。




そういう選択肢もあるんじゃないかって気付いた。






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