ありがとう。
ああ、そうか。私はあの時、死にたくなったんだ。
決められた未来に抗いたかったんだ。
私が何も言わずに俯いていると優しく、奏君に抱きしめられた。
「か・・なた・・・くん?」
「せっかく、俺の思いを告げて、お前を手にいれられたのに、彼女じゃないとか、自殺とかふざけんなよ!」
「・・・・・。」
「気付いてた。美喜が何かを抱えていること。でも、美喜が言いたくないのなら、言える日がくるまで待とうと思ってた。」
「・・・。か
「でも、やっぱり無理。
俺は美喜のことが好きで、大好きで、1人で苦しんでいるのをただ黙って見るなんて、出来ない。」
私の言葉を遮って、奏君は必死な声で私への思いを告げてくれる。