ありがとう。
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その日、いつもより早めに美喜の病室をあとにした。
俺が向かうのは・・・・
ピーンポーン
「はい。奏君?」
「お久しぶりです。美喜のお母さん。」
美喜の家。
「俺、美喜と付き合ってるんです。」
そう言うと、美喜のお母さんは泣きそうな困ったような顔をした。
「少しお話できませんか?」
「・・・・・。」
「・・・・・。」
勢いでここまで来たものの、何から話せばいいのかわからず、2人して無言な状態になった。
美喜の家にあがらせてもらった俺は美喜のお母さんが出してくれた麦茶を一口飲むと、話す決心をした。