ありがとう。





「何のことかわかってないだろ?」



「う・・ん。」




私が奏君の顔を見ようとして動くと、奏君は左手で強く私の頭を自分の胸に押し付けて、右手を私の背中にまわした。





「今、見ないで。」



「何で?」



「俺、多分めっちゃ顔緩んでる。」




どうして?




「美喜と2人になれて、こうやって抱きしめてるから。」



まるで私の心を読んだように奏君は言った。







< 170 / 288 >

この作品をシェア

pagetop