ありがとう。






まるで私の心を見透かしたみたいに、私の不安を取り除いてくれる。




「小さい頃は発作とかで学校にすら行けなかった。


でも、中学二年生の時に安定してきて、いずれ死ぬって言われたけどやっと学校に行けるようになったの。




ーーでも、ろくに学校に行けなかった私の存在は、どこにも無かった。



それでも最初はみんな気遣ってくれた。


けれど、私を見るみんなのその目は “哀れみ” しかなかった。


そのうち、哀れまれることが嫌でみんなに関わらないようにしていたら、私の存在はいつの間にか忘れられていったの。





誰も私を知らない。



私は忘れられた存在。



毎日が辛かった。




そんな時にお母さんがこの町のことを教えてくれたの。



平和で、自然が豊かで、空気がきれい。


お医者さんも体にいいからその町に行った方が良いって進めた。







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