ありがとう。
ごめんね。
奏君は名残惜しいのか、最後にって言って私を抱きしめる。
「本当は、勝利たちも来たかったんだ。けど、俺が頼んで2人にしてもらった。だから、明日会ってあげてな?」
「うん。」
「あーあ。放したくないな。」
「だっだめだよ!」
「わかってる。じゃあ、バイバイ。」
「バイバイ。」
奏君は私を放すと、病院の門に向かって歩いて行く。
その姿を見つめ、心の中で呟く。
ごめんね、と。
あともう少しの所で、奏君はクルリと私を振り返った。
どうしたのかな?
「美喜ー!愛してる!」
そう叫ぶと、奏君は走って行った。
私も叫ぶ。
「奏君!愛してる!」
そして、付け足す。
「さようなら。」